入れ歯の清掃の仕方、義歯のお手入れの道具について

●入れ歯専用ブラシ(義歯ブラシ)

入れ歯の清掃の際に使用する「入れ歯専用ブラシ」は入れ歯を磨くために作られた専用の歯ブラシです。
植毛部分は通常の歯ブラシと同じナイロン製の毛でできていますが、歯ブラシよりも硬いのが特徴です。
また柄の部分が太めに作られているものが多いので、力を入れやすい作りになっています。
入れ歯専用ブラシの多くは植毛部分が2か所あり、それぞれ毛の硬さや形が異なります。
大きい植毛部分は毛が柔らかいため、ピンク色の床(義歯床)や入れ歯の歯(人工歯)全体を磨くのに適しています。
小さい植毛部分は毛が硬いため、部分入れ歯の残っている歯にかけるバネ(クラスプ)やくぼみなどの細かく複雑な部分を磨くのに適しています。
入れ歯を清掃する際に普通の歯磨き剤を使用してしまいがちですが、歯磨き剤には研磨剤が含まれており入れ歯に細かい傷をつけてしまいます。
歯磨き剤を使用する場合は、入れ歯専用のものを使用しましょう。

●清掃の仕方

入れ歯を流水にさらして清掃する際に、手が滑り入れ歯を落としてしまうことがあります。
入れ歯は衝撃に弱く、落としてしまうとひびが入ったり、欠けてしまったりする恐れがあるので、水を張った洗面器を下に置いておくようにしましょう。
また、総入れ歯と部分入れ歯で汚れやすい箇所があります。
総入れ歯の場合、入れ歯の歯(人工歯)が自然の歯のように並んでいるので、通常の歯磨きと同様に、歯と歯の間は汚れが溜まりやすくなります。
口の粘膜に当たるピンク色の床(義歯床)も汚れがたまりやすくなります。
部分入れ歯の場合、特徴である残っている歯かけるバネ(クラスプ)は特に汚れがたまりやすくなります。
磨く際に力を入れてしまうとバネを変形させてしまうので、入れ歯専用ブラシの小さい植毛部分で優しく丁寧に磨きます。
総入れ歯と部分入れ歯とも、入れ歯の端の部分は磨き忘れが多く、ブラシが端まであたっていないことがあります。
入れ歯を指で触ってもヌルヌルしていない状態になっていれば、磨けている目安になります。
入れ歯を清掃するタイミングとして理想なのは毎食後になります。口の中を清潔な状態に保つためにも、食後はなるべく入れ歯を外して清掃しましょう。

●入れ歯洗浄剤

「入れ歯洗浄剤」は、入れ歯の見えない汚れや細菌を除去するものですが、あくまで補助的なものなので入れ歯専用ブラシでしっかり磨くことは必要です。
また、必ず使用しなければならないというものではないため、入れ歯の臭いや着色が気になったり、汚れがひどい場合にのみ使用しても問題はありません。
気になって使用する場合は、毎日使うのが効果的ですが、少なくとも1週間に1~2回程度使用するようにしましょう。