入れ歯が発音しにくい理由と、対策について

入れ歯を使っている方の中には、喋りにくい、発音が不明瞭になった、という方も多くいらっしゃると思います。
このような違和感は、時間の経過とともに馴染んでいく場合もありますが、なかなか改善されずにお悩みの方もいるでしょう。
そこでなぜ入れ歯が発音しにくくなるかと、その対策についてご紹介いたします。

なぜ発音しにくくなるか

①舌が動くためのスペース(舌房)が変わる。

私たちが話をするとき、舌の動きも重要になってきます。
しかし、入れ歯を入れると上あごや歯ぐき部分を入れ歯が覆うことで、天然歯の時よりもスペースが狭くなってしまい、それによって発音しにくくなってしまいます。

②前歯同士の隙間のサイズが変わる

入れ歯で難しい発音は「Sh」や「Th]の歯擦音と呼ばれる音です。
これは下あごを前下方に出しながら絶妙に隙間を使い、息が漏れることにより出せる音ですが、入れ歯にすることにより元の歯と全く同じかみ合わせにはならないので発音が難しくなってしまいます。

③痛みがある

これは入れ歯があたって、痛みがある場合です。痛みがあって口が動かしづらく喋りにくい、発音しにくいというものです。

発音がしにくいことに対する対策

では発音がしにくいことに対する対策はどのようなものがあるでしょうか?

①声に出して練習する

まずは自分の声を録音して聞いてみたり、家族の方に聞いてもらったりして、自分の発音をチェックしてみるのも良いと思います。
不得意な発音がわかったら、その音を中心に声を出してみましょう。
新聞や本を声を出して読むのも良いトレーニングになります。

②口の開け閉めをして、ストレッチをする

これは口周りの筋肉を柔軟にすることで入れ歯の馴染みをよくする、ということです。
口を大きく開け閉めするストレッチもぜひ取り入れてみてください。

③歯科医院で調整してもらう

痛みがあって発音しにくい場合は歯科医院での入れ歯の調整が必要になってきます。
入れ歯は柔らかい歯ぐきにのせて使うものなので、1か所が強く当たったり、動いてしまって擦れることで痛みが生じることがあるものです。
その場合は歯科医師に相談しましょう。
また入れ歯の厚みのせいで発音しにくい場合は、削って薄くしてもらえることもありますが、薄くしすぎると強度が弱くなり破損してしまうこともあるので、こちらも歯科医師と相談しながら調整してもらいましょう。

入れ歯は、歯が無くなってしまった人にとっては、その後付き合い続けなくてはいけないものです。
最初は違和感、異物感が大きいかもしれませんが、時間をかけて徐々に慣らしていくことで、だんだんお口に合って使いやすくなっていくものです。
ゆっくり付き合っていってください。