入れ歯に使用されるピンク色の部分(床)について その2
前回は入れ歯のピンク色の床について、レジン床、スルフォン床、金属床を説明しました。
今回はちょっと特殊な床の説明をしていきたいと思います。
レジン床義歯
イボカップとは加圧填入式加熱重合法を用いたレジン床義歯です。
前回出てきたレジン床との違いは材料ではなく作り方にあります。
圧力をかけてレジンを入れるので精度が高く、衝撃に強いものができます。
また匂いがつきにくく、変色もしにくいです。
成型時の変化が最も少ない方法で作るため、高精度の入れ歯を作ることが可能です。
また、イボカップのみの義歯もありますし、金属床とイボカップを組み合わせた、イボカップ白金加金床など精度、適合性にとことんこだわった組み合わせもあります。
イボカップのお勧めとしては上下総義歯の場合があげられます。
コンフォートについて
続いてコンフォートについて説明していきたいと思います。
コンフォート義歯とはピンク色の床の部分のうち、歯ぐきに接する部分を生体用シリコーンというクッションに置き換えたものです。
特殊な柔らかさが持続するシリコーンのクッションが、入れ歯の歯ぐきにかかる圧力を軽減し、噛んだときの痛みを和らげます。
また、シリコーンの弾力により歯ぐきに密着しやすくなり、硬いものがかめるようになったり、入れ歯が安定して外れにくくなります。
コンフォートのお勧めとしては下顎の総義歯があげられます。
下顎の総義歯が痛くて噛めない場合は、ピンク色の硬い床の部分を生体用シリコーンのコンフォートに置き換えることにより、歯ぐきに局部的にかかりがちな負担をやさしく緩和します。
痛みがなくなることによって今までより強い力でかめるようになり硬いものがかめるようになります。
下顎の土手の部分(顎底)がなくなってしまっている患者様には、特にお勧めです。