入れ歯に使用される金属のばねなどについて

今回は入れ歯に使われている金属の部分についての話です。

入れ歯に使われている金属は大きく分けると2種類あります。

入れ歯に使用される金属のばね

ひとつはよく「バネ」と呼ばれている部分で、専門的にはクラスプと呼ばれています。

部分入れ歯にとって重要な部分でこの部分の働きによって、入れ歯が口の中に収まります。

もう一つは専門的にはバー(連結子)と呼ばれている部分で、どんなものかというとピンク色の床と床をつなげるために使われているものになります。

ピンク色の床よりも金属であるために薄く作れるため違和感が軽減します。

しかし後々、入れ歯の修理が必要になった場合には金属とプラスチックは接着しにくいため、修理が大変もしくはできないために作り直しが必要になるといった場合もあります。

クラスプにはどんな種類があるか

クラスプにはどんな種類があるか素材別に考えてみると、針金を曲げて作るワイヤークラスプと、金属を溶かして流し込んで作るキャストクラスプの2つがあげられます。

針金を曲げて作るワイヤークラスプよりも、金属を溶かして流し込んで作るキャストクラスプの方が手間暇がかかっていて、良いものに皆さんは感じるかもしれませんが必ずしもそうとは限りません。

少し専門的な話になりますが、クラスプはかける歯の引っかかりが深い場合には柔らかくしなやかさのあるワイヤークラスプの方が、相性が良く適しています。

また、クラスプをかける歯の引っかかりが浅い場合には硬くてしっかりとしたキャストクラスプの方が相性が良いです。

よって、どちらのクラスプが優れているということではなく、ばねをかける歯の形や向きなどを考慮して、適しているクラスプを選ぶことが重要になってきます。

 

続いてはバーの話です。左右の歯が無い場合に右のピンク色の床と左の床をつなぐためにバーが使われる場合があります。

上の顎に入れた入れ歯の場合は、パラタルバーと言います。

「パラタル」とは英語で口蓋側の意味の言葉です。

パラタルバーの位置によって前パラタルバー、中パラタルバー、後パラタルバーの3つがあります。

前方に位置するものが前パラタルバー、後ろに位置するのが後パラタルバー、中間に位置するものが中パラタルバーです。

口蓋部分の違和感を軽減する方法として、違和感の少ない部分にバーを使うと比較的入れ歯が使いやすくなります。

下の顎に入れた入れ歯の場合はリンガルバーと言います。

「リンガル」とは舌の側の意味です。
下の顎は舌が存在するのでバーの位置は前方のみです。

バーの製作方法もクラスプと同じように2種類あります。1つはもともとである金属の素材を曲げて作る屈曲バー。もう一つは金属を型に流し込んで作るキャストバーです。